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外資系企業勤務の人が税金で注意すること

昨年は国内企業を辞めてFANGに転職するのが流行ったようですが、FANGかどうかは別にして外資系上場企業に勤務すると給与の一部としてストック・オプション(SO)やRSU(譲渡制限付き制限付株式)などが付与されることがあったり、ESPP(Employee Stock Purchase Plan: 社員持株会)に加入することができたりします。

それぞれの所得の計算方法についてはweb上に様々なコンテンツがあるので本題とはせず、ここでは私や知人の体験からの注意事項を書きます。

外外はかなり前から通用しません

外資系企業なので一般的には株式は外国の証券会社で支給されると思いますが、これらの売却で得た所得をその国や第三国の金融機関に送金して使用・運用することを外外と呼び、徴税逃れの一手法として昔流行ったようです。

昔は国内金融機関への入金があった際にその金融機関からの報告(1トランザクションあたり100万円以上のとき)を受け取ることが徴税当局が外資系企業勤務のサラリーマンのお金の流れを把握する主要な方法だったため、日本に資金が入ってこない外外の場合は捕捉されづらかったようでしたが、今はその企業が日本で法人成りしている場合は株式の付与状況を報告することになっているため筒抜けだと思った方が良さそうです。また、租税協定国間の情報交換が強化されているという噂もあるため日本法人が報告していなくても当局が能動的に海外証券会社から株式の付与に関する情報を受け取っていることも考えられます。

報告される付与状況はRSUのみだとかESPPやSOも含まれるとか諸説ありますが、疑いをかけられたまま泳がされて数年後に税務調査を実施されたうえで過少申告・未申告が発覚して延滞税・加算税を召し上げられるとダメージが大きいのできちんと申告しておいた方が良いと思います。ちなみに私が税務調査対象になった際には、先方はRSUのVest履歴に応じて所得を計算したシートを持っていました。

捕捉と計算が簡単だからか、数十万円程度の申告漏れで税務調査が入った人もいますので、金額の多少に関わらず申告しましょう。

W8-BENを必ず提出しましょう

米国の証券会社の場合、米国非居住者用の免税書類であるW8-BENを提出しないと米国と日本の両方で課税されてしまうため必ず提出しましょう。証券会社によってはペーパーレスでできます。

売却・取得したとしても税金分のお金は確保しておく

給与所得分(VestされたRSUやSO、割引価格で購入したESPP)は売却したかどうかに限らず給与所得として課税され、翌年の確定申告で申告した上で国税・住民税を支払わないとなりません。 売却した場合はもちろんのこと、給与所得が発生したタイミングで予想給与と株式分所得に応じた所得税率(例えば所得税40%+住民税10%)で税金を計算して、その金額を普段は使わないプール用の銀行に送金しておき、確定申告・税金の支払い後に余ったら投資や生活費の口座に戻しましょう。使い込んでしまって税金が支払えなくなるよりマシです。

資金を拘束しておくと効率が悪いと言ってRSUを売却した資金を投機に回し、スッってしまい税金が払えなかった元同僚がいましたのでそうはならないようにしましょう。

また、上述した通りRSUのVestやSOの行使で得た所得は給与所得なので、ふるさと納税のような合法的な節税策を利用する場合はこれらの金額を見込んでいくらまで突っ込めるのかを計算して実施します。

譲渡所得は未上場株扱い

株式は本社がある国の証券会社で管理することになると思いますが、海外証券会社で売却した損益は未上場株の枠で計算します。税率は株式の譲渡所得である20%少々ですが、枠が異なるため例え同じ銘柄の売買を行ったとしても上場株式扱いとなる国内証券会社での売買による損益とは通算できません。

住民税は普通徴収がお勧め

確定申告分の収入にかかる住民税を普通徴収にするか特別徴収にするかを申告時に選べます。 私個人としてはプールしておいたお金を用いて普通徴収で一気に支払ってしまうのが良いと思います。理由は毎月の手取りが大きく減ってモチベーションが下がりそうというのと、いつクビになったり退職したりして給与収入が無くなるかがわからないためです。

外貨建の現金は長期間持たない

株式を売却して現地通貨建の現金のまま放置すると、円転したり金融商品を購入した際に為替差損益が発生します。この差損益は雑所得(総合課税)になるため累進課税です。同じ外貨で持つとしてもFXの方が税金面で有利ですが、普段先物・FXをやらない場合は申告が面倒になるだけなので証券会社で外貨建てMMFでも購入しておけば良いと思います。

国外財産調書の提出忘れに注意

12/31時点で国外にある金融資産の合計が5,000万円を超える場合は国外財産調書を作成の上提出しなければなりません。株式収入に加え、海外の証券会社に主力の投資用資産がある場合には注意しましょう。怠ってそれが発覚した場合、数年前に施行された法律によるやや厳しめの罰則があります。